3. 筋肉の骨のつなぎ方



マガジン1で、すべての筋肉が別々の骨をつないでいると説明しました。今回は、そのつなぎ方により、筋肉の収縮方向と運動方向の特徴を説明します。

筋肉の骨のつなぎ方


筋肉は骨と骨をつないで、骨格の形を保持したり、運動に携わる働きをしますが、その骨のつなぎ方を3種類に分けて説明します。

骨と骨をつなぐ筋肉


一つ目は、骨と骨をつなぐものです。ここでは、腹直筋と胸鎖乳突筋を例にあげています。
実際はたくさんの関節をまたいでいることもありますが、その筋肉の収縮が直接またいでいる関節の運動と関連付けて考えると複雑になるので、このように分類しました。
これらの筋肉は、筋肉の収縮の方向と、付着している骨の部位の位置の変化の運動が同じ性質があります。

関節をひとつまたぐ筋肉


関節をひとつまたぐ筋肉は、三角筋や大殿筋、その他多数の筋肉があります。
関節をひとつまたぐ筋肉は、筋肉の収縮が関節を動かす作用があるので、筋肉の収縮方向と実際の運動方向は同じでないことが特徴です。
たとえば一般的に、三角形が収縮すると腕が外転するし、大殿筋が収縮すると足が外転します。
(これは、体幹側の骨の付着部が固定していると考えてのことです。支点と力点については後に説明します)

関節を二つまたぐ筋肉


関節を二つまたぐ筋肉は、上記のひとつまたぐ筋肉と同じように、筋肉の収縮方向と実際の運動方向は同じではありません。そして、一つの関節をまたぐ筋肉と違うところは、一つの筋肉の収縮で、二つの筋肉を動かすので、一度に複雑な運動ができます。
例えば、図のように、二つの関節をまたぐ例として、上腕二頭筋と大腿直筋の収縮は、それぞれの関節の固定力により、様々な運動を引き起こします。
もしこの運動を、一つの関節をまたぐ二つの筋肉で行おうとすると、筋肉の長さが短くなることによるロスと、関節の固定力が複雑になります。



















このように、筋肉は骨と骨のつなぎかたで、複雑な運動をするもの、骨格を頑丈に構造し、しなやかにバランスを取り、形を変えるものなど、筋肉の長所を生かして無駄なく構成されています。

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