※注・この文章内の筋肉とは、骨格筋です。
なぜ、筋肉には一本の運動神経でしか、信号は送られてこないのでしょうか?
なぜ、長短の筋肉が層をなしているのでしょうか?
なぜ、たくさんの筋肉があるのでしょうか?
基本中の基本の質問ですが、正しく返答できますか?
筋肉は、神経からの指令で収縮しますが、一つの筋肉には一つの収縮指令しか受け付けません。
もし、筋肉の部位によって複数の指令を受けて、収縮の長さが場所により違ったら、筋肉が裂けてしまいます。
だから、筋肉は、一つの指令でどの部位も同じように収縮するということです。
神経からの指令で筋肉は収縮しますが、どの部位も同じ強さの収縮力が生まれます。
そして、同じ長さの収縮をしようとします。
もし、一部の筋肉が何らかの原因で変性し、収縮の長さが違ったら、筋肉が裂けてしまいます。
これを、肉離れと呼びます。
つまり、正常な筋肉は、一つの指令でどの部位も同じように収縮するということです。
筋肉が収縮するとき、両端の腱には、同じ大きさの力(収縮力)がかかります。
筋肉の収縮力と同じ力の収縮力が、対称的な方向にかかります(例外の筋肉もあります)。
どちらかが強くてどちらかが弱いことはありません。
ただ、力がかかることによって起こる骨Aの運動と骨Bの運動は違います。
それは、骨Aと骨Bの固定力に差がありからです。固定力は別記
筋力は、筋肉の長さと筋肉の太さが関係します。
筋肉は、太さに比例して筋力が強くなります。
そのため、アスリートなどは、プロテインを飲んで、体を鍛えています。
しかし、身長や手足の長い人にはかないません。
それは筋肉の長さが関係しているからなのです。
同じ性質の筋肉の場合、筋肉の長さに比例して筋力も強くなります。
そのため筋肉の構造学だけをとっていえば、先天的に背が高く手足の長い人が有利なことになります。
筋肉は骨と骨をつなぎ、骨を固定したり動かしたりすることで、身体の形を保持したり運動したりすることができます。つなぐ骨が短かったり、間隔が狭かったりすれば、つなぐ筋肉も短いものになります。しかし、実際の身体の筋肉は、長い筋肉や短い筋肉が層をなして重なっているところがあります。方向が違う筋肉ならば、複雑でかつ細かい運動をするためのものだと理解できます。筋肉は数が多いほうが複雑な運動ができます。それだけでなく、方向が同じだが筋肉の長さが違うところがあります。例えば背中から腰にかけての筋肉です。
なぜ、脊柱起立筋は長いものもあるのでしょうか。それは、長い筋肉のほうが、小さい収縮力で強い筋力を発揮できるからです。高さ2.3センチほどの脊椎を積み木のように多数重ねたものを支えるのですから、脊椎の周囲には強い固定力の筋肉が必要です。骨盤の上の脊柱は、長い筋肉で高い所から引っ張って支えたほうが、少ない力で安定します。そのため、背中と腰には、長短の筋肉が幾層もあるのです。そして、お互いの筋肉の収縮が、他の筋肉の妨げにならぬよう、短い筋肉は深いところへ、長くて大きい筋肉になるにつれて浅い層に重なっているのです。⇒脊柱起立筋ページへ